チタンレーザー加工について

チタンのレーザー加工について解説します。

 

 

一般的にはこれまでのレーザー加工機ではステンレス鋼や鉄が切断対象でしたが、近年、環境に配慮したファイバーレーザー加工機が普及してきたこともあり、ステンレス鋼や鉄に加えて、チタン、アルミ、銅などの材料もレーザー加工できるようになってきました。

また、その品質、品位も向上しております。

レーザー切断時のアシストガストとは

レーザー切断時にアシストガスというガスを一緒に噴出して切断することで、切断品位を高めたり切断能力を向上させていくことが可能となります。
代表的なものは酸素を用いた鉄の切断になります。
ステンレス鋼では酸化を防ぐために窒素が用いられます。
ただ、窒素の場合、窒化物が生成されるような金属には向かないことがありその場合はアルゴンガスを使用することとなります。

 

窒素とアルゴンでのチタン切断品位について

それでは、チタンをアルゴン切断と窒素切断で比較してみます。
まず、6.0mm中厚チタンで比較してみます。

 

チタン 6.0mm アルゴン切断

 

チタン 6.0mm 窒素切断

 

ご覧いただいた通り、窒素切断は窒化チタンが生成されて黄色っぽくなっています。
また、切断バリや切断痕もアルゴンに比べて粗い表面となっています。

では次に3.0mmでの比較を行ってみます。

 

チタン 6.0mm アルゴン切断

 

チタン 6.0mm 窒素切断

 

このように、単純な切断においてはアルゴン切断の方が品位はかなり良いものとなります。
ただ、ご承知の通り、ガス価格がアルゴンは窒素に対して高価であるために、切断加工費が高くなる傾向になります。

そこで、切断後に加工する場合はというと、窒素切断部分にバフ研磨加工を行います。

 

 

このように窒化部分を削り仕上げる工程があれば特に窒素切断でも問題なく品位を出すことが可能です。

 

表面保護テープを貼ったまま切断できるか?

例えば、チタン材の表面が鏡面加工や特殊な加工がしてあり、切断時に飛び散るスパッタの防止や傷の発生防止のために表面保護テープを貼ったまま切ることがあります。

チタンはステンレス鋼のように表面保護テープを貼ったまま切断可能なのでしょうか。その可不可をご説明いたします。

 

 

シートカットとは最初にフィルムだけを切断して、その後チタンの板を切断する方法です。
この手法を使うと、フィルムの吹き上がりという現象が出にくくなり、フィルムが剥がれずに切ることができます。
ただ、2度同じところを切断するので工数が倍になります。 上記のように、通常切断ではフィルムと切断口がすぐ近くにあるのに対して、シートカットすると若干隙間が出ます。
いずれの手法においてもフィルムを貼ったままの切断加工が可能です。

 

金属の切断加工にも対応しています。

ステンレス鋼やチタンの切断加工を行い、研磨加工まで対応しております。
表面仕上げも鏡面加工から粗加工まで用途用法に応じて様々なパターンに対応いたします。
さらに、外観上必要な表面仕上げを部分部分で磨き分けることで性能と外観を両立することにも対応しております。

新規開発などの試作品にぜひ、ご検討ください。

 

 

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