チタンは元素Tiで、ステンレス鋼のような鋼とは違う非鉄金属です。アルミニウムや銅などと似たような位置づけの金属です。
チタンの特徴は軽量で強く、錆びにくいという特徴がよく謳われますが、そのほかにも人体に優しい、膨張しにくい、しなりやすい、美しい金属肌といった特徴があります。
チタンはステンレス鋼同様に意匠性研磨加工や機能性研磨加工を施すことでチタンそのものに特性を付加することが可能です。
鉄やアルミのように腐食を防ぐために塗装や陽極酸化処理などの必要がない、環境にやさしい金属です。
比重は4.51で鉄の約2/3となります。
チタンの特徴
- 軽量:
- チタンは密度が低く、鋼の約60%の重量しかありません。そのため、軽量構造が求められる用途に適しています。
- 高強度:
- チタンは比強度(強度と重量の比率)が非常に高く、軽量でありながら非常に強靭です。これは特に航空宇宙分野で重要です。
- 耐食性:
- チタンは酸化被膜を自然に形成し、この被膜が酸や塩水などの腐食環境から金属を保護します。これにより、海洋環境や化学処理設備などで使用されます。
- 生体適合性:
- チタンは生体に対する反応性が低く、生体適合性が高いため、医療機器やインプラント(人工関節、歯科用インプラントなど)に使用されます。
チタン合金
チタン合金は、チタンに他の金属元素を添加して、その特性を向上させた材料です。以下に主要なチタン合金のいくつかを紹介します。
- Ti-6Al-4V:
- 最も一般的に使用されるチタン合金で、アルミニウム(6%)とバナジウム(4%)を添加しています。この合金は、優れた強度、軽量性、耐食性を持ち、航空宇宙、医療、工業用途で広く使用されています。
- Ti-3Al-2.5V:
- アルミニウム(3%)とバナジウム(2.5%)を含む合金で、Ti-6Al-4Vよりもやや柔軟性が高く、チューブやパイプなどの製造に適しています。
- Ti-5Al-2.5Sn:
- アルミニウム(5%)とスズ(2.5%)を含む合金で、高温での耐性が優れており、航空機のエンジン部品などに使用されます。
- βチタン合金:
- β相安定元素(モリブデン、バナジウム、ニオブ、鉄など)を含む合金で、高い靭性と可鍛性を持ちます。メガネのフレーム、ゴルフクラブ、スポーツ用品などに使用されます。
チタンとチタン合金の用途
- 航空宇宙:
- 軽量かつ高強度の特性から、航空機のフレーム、エンジン部品、ロケットの構造材などに使用されます。
- 医療:
- 生体適合性が高いため、人工関節、歯科インプラント、手術器具などに使用されます。
- 化学処理:
- 耐食性に優れるため、化学処理装置、熱交換器、海洋構造物などに使用されます。
- 工業:
- 高温に耐える特性から、発電所のタービンブレード、製紙工場の装置などに使用されます。
チタンおよびチタン合金は、その特性から多岐にわたる産業分野で重要な役割を果たしており、技術の進歩に伴い、その用途はさらに広がっています。
試験片(テストピース)の製作
当社は、チタンの試験片(テストピース)の製作にも対応しております。お客様の研究開発や品質管理に必要な様々な形状、サイズの試験片を精密に製造することが可能です。
特に、耐食性や強度が求められる環境下での使用に適した、高品質なチタン材料を使用しています。試験片のカスタマイズについてのご相談も承りますので、ご要望に応じた仕様での製作が可能です。お気軽にお問い合わせください。
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