ステンレス鋼は主成分である鉄をベースに、クロムやニッケルを混ぜ合わせた合金鋼で、その耐食性と錆びにくさが特徴です。
これらの特性は、クロムやニッケルなどの含有成分によるもので、クロムは空気中の酸素と結合して酸化皮膜を形成するため、
さまざまな腐食要因から地金の表面を保護します。ニッケルやモリブデンはこの酸化皮膜を強化します。
一般的に、クロム、ニッケル、モリブデンなどの含有量が多いステンレスほど耐食性に優れ、錆びにくいとされています。
ステンレス鋼は多種多様で、その特性と用途は異なります。
基本的には、クロム系ステンレスとクロム・ニッケル系ステンレスの2つに大別されます。
これらはさらに金属組織によって細かく分類され、クロム系ステンレスはマルテンサイト組織とフェライト組織に、
クロム・ニッケル系ステンレスはオーステナイト組織と二相組織に分けられます。
ステンレス鋼はその耐食性、耐久性、耐熱性などの特性から、建築分野で広く使用されています。
内外装、装飾品だけでなく、構造材や鉄筋など、さまざまな用途で利用されています。
その耐食性から、ステンレスは広く使用されていますが、絶対に錆びないわけではありません。
使用条件や環境によっては、汚れることも、錆びることもあります。
そのため、定期的なメンテナンスが必要です。
錆や汚れの原因となる鉄粉や塩分、その他の異物の付着を定期的に除去することで、美観を維持することができます。
ステンレスは、クロムが酸素と結合して形成する不動態皮膜により、錆びにくい特性を持っています。
しかし、この皮膜が何らかの原因で破壊され、その再生が妨げられるときにステンレスは錆びます。
主な皮膜破壊と再生妨害物質は以下の通りです。
また、ステンレス表面に堆積する煤(すす)や粉塵は、皮膜を破壊しないものの、結露や上記物質の付着を促進します。
さらに、鉄粉などの異種金属がステンレス表面に付着すると、「もらい錆」を引き起こすことがあります。
これらの物質や環境は、ステンレスの錆発生の原因となります。
つまり、これらの物質や環境を避け、適切なメンテナンスを行うことで、ステンレスの錆を防ぐことが可能です。
ステンレスを美しく保つためには、環境に適した鋼種の選択、構造上の工夫、そして定期的なメンテナンスが必要です。
設計上の配慮としては以下の点が重要です。
また、構造上の配慮としては以下の点が重要です
これらに配慮して、定期的にメンテナンスを行うことで、ステンレスの意匠性を損なうことなく長期間使用することができます。
ステンレスの加工と施工においては、「さび」を防ぐために以下の配慮が必要です
上記の内容に配慮してステンレスの加工と施工を行うことで防さび性能が向上します。
ステンレスの美観を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。
以下の点に注意してください
以上のように、ステンレスはその特性とメンテナンスにより、美観と耐久性を長期間維持することが可能です。
適切な選択、設計、施工、そして定期的なメンテナンスにより、ステンレスはその錆びにくさを最大限に発揮します。
他にもステンレス表面へガラスコーティングを施す事で錆の進行を抑制することが可能となります。
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