二相ステンレス鋼比重による軽量化計算のご提案

 

高強度・高耐食性を誇る二相ステンレス鋼とは?

ステンレス鋼にはさまざまな種類がありますが、その中でも 二相ステンレス鋼(Duplex Stainless Steel) は、

・高強度(SUS304の約2倍の耐力)

・高耐食性(SUS304と同等以上、SUS316に匹敵)

・省資源性(Ni含有量を低減)

といった特徴を持ち、建築、産業機械、食品設備など幅広い分野で利用されています。

特に SUS821L1やSUS329J1は、SUS304の代替材、SUS316Lの代替として優れたコストパフォーマンスを発揮します。

 

SUS304とSUS821L1の比較:軽量化の可能性

SUS304とSUS821L1(二相ステンレス鋼)を比較すると、SUS821L1の強度が約2倍であることから、

同じ強度を確保する場合に 板厚を薄くすることが可能 です。

 

軽量化計算の例

例えば、SUS304の板厚 6.0mm で設計されている部材を、SUS821L1に置き換えると、安全率を考慮して板厚を4.0mmに軽量化することが可能です。

強度が約2倍 であるので、本来は3.0mmでもいいと思いますが、安全を考慮して4mmでの強度で比較します。

 

比重

SUS304の密度は 7.93 g/cm³

SUS821L1の密度は 7.8 g/cm³(若干軽量)

この場合、同じ面積の部材を比較すると、重量は次のように変化します。

 

重量の計算

①SUS304(6.0mm厚)1平米の場合

6mm(厚み)x 1m x 1m x 7.93(比重)= 47.58 kg

②SUS821L1(4.0mm厚) 1平米の場合

4mm(厚み)x 1m x 1m x 7.8(比重)= 31.2kg

 

軽量化率

(47.58 – 31.2 ) / 47.58 x 100 = 34.43%

つまり、 約34%の軽量化 が可能になります。

 

 

SUS304とSUS329J1の比較:軽量化の可能性

SUS304とSUS329J1(二相ステンレス鋼)を比較すると、SUS329J1の強度が約2倍であることから、

同じ強度を確保する場合に 板厚を薄くすることが可能 です。

 

軽量化計算の例

例えば、SUS304の板厚 6.0mm で設計されている部材を、SUS329J1に置き換えると、安全率を考慮して板厚を4.0mmに軽量化することが可能です。

強度が約2倍 であるので、本来は3.0mmでもいいと思いますが、安全を考慮して4mmでの強度で比較します。

 

比重

SUS304の密度は 7.93 g/cm³

SUS821L1の密度は 7.8 g/cm³(若干軽量)

この場合、同じ面積の部材を比較すると、重量は次のように変化します。

 

重量の計算

①SUS304(6.0mm厚)1平米の場合

6mm(厚み)x 1m x 1m x 7.93(比重)= 47.58 kg

②SUS821L1(4.0mm厚) 1平米の場合

4mm(厚み)x 1m x 1m x 7.8(比重)= 31.2kg

 

軽量化率

(47.58 – 31.2 ) / 47.58 x 100 = 34.43%

つまり、 約34%の軽量化 が可能になります。

SUS821L1と同じ結果になります。

あとは、耐食性の特性での選択となります。

 

軽量化によるメリット

①輸送コストの削減

製品の重量が半分になることで、輸送時のコストが大幅に削減されます。

 

②施工の負担軽減

軽量化により、現場での取り扱いが容易になり、施工時間の短縮や作業負担の軽減につながります。

 

③環境負荷の低減

鋼材の使用量を減らすことで、製造時のエネルギー消費を抑え、CO₂排出量の削減に貢献できます。

 

④コストダウン

使用する鋼材量が減ることで、材料費の削減につながります。

 

まとめ

二相ステンレス鋼(SUS821L1およびSUS329J1)を採用することで、SUS304と同等以上の性能を維持しながら、大幅な軽量化が可能 になります。

・重量を約34%削減可能

・輸送・施工コストの削減

・環境負荷の低減

二相ステンレス鋼を活用することで、 軽量・高耐食・高強度の新しい製品設計 が実現できます。

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