銅・真鍮

銅や真鍮は古い時代から使い続けられている金属です。

銅が純物質でそこに添加物を加えることで真鍮となります。

ともに美しい色合いではありますが、酸化しやすいという特徴があります。

銅や真鍮は古い時代の建物の手摺や建築部品に使用されていますが、時代を経ると緑色の錆び(通称:緑錆)が発生したり黒く酸化してきたりして くすんできます。

そこで、銅や真鍮は加工後にコーティングを施したり、メッキ加工を行うことで酸化を防止することが必要となります。

銅や真鍮は鋼と違い柔らかく加工がしやすい金属です。また、電気特性も良好で端子部品やブスバーなど電気機器に使用されています。

銅(Copper)

特徴:

  1. 優れた導電性:
    • 銅は、銀に次いで高い電気伝導率を持ちます。このため、電気配線や電子機器の部品に広く使用されます。
  2. 優れた熱伝導性:
    • 熱伝導率も高いため、冷却器、熱交換器、ヒートシンクなどの熱を効率的に伝達・放散する用途に適しています。
  3. 耐食性:
    • 銅は自然に酸化被膜を形成し、この被膜が内部を保護します。塩水や湿気の多い環境でも耐食性を発揮します。
  4. 抗菌性:
    • 銅は微生物に対して抗菌作用を持ち、医療機器や水道管などの衛生的な用途に適しています。
  5. 展延性:
    • 展延性が高く、薄いシートや細いワイヤーに加工しやすいです。

用途:

  • 電気・電子機器:
    • 電線、ケーブル、コネクタ、プリント基板などに使用されます。
  • 建築材料:
    • 屋根材、雨樋、装飾パネルなどに利用されます。
  • 配管:
    • 水道管、冷暖房設備の配管、ガス管に使用されます。
  • 工芸品・貨幣:
    • 銅像、硬貨、装飾品などに使用されます。

真鍮(Brass)

特徴:

  1. 合金の組成:
    • 真鍮は銅と亜鉛の合金です。銅の割合により、機械的特性や色調が変わります。通常、銅の割合は55%から90%の範囲です。
  2. 加工性:
    • 銅よりも硬く、機械加工や鋳造が容易です。また、加工後の仕上がりも美しいです。
  3. 耐食性:
    • 亜鉛を含むことで銅よりも強い耐食性を持ち、湿気や塩水に対しても比較的耐性があります。
  4. 音響特性:
    • 良好な音響特性を持ち、楽器の材料として広く使用されます。
  5. 抗菌性:
    • 銅と同様に抗菌作用を持ち、医療や食品産業での利用もあります。

用途:

  • 建築材料:
    • ドアノブ、ハンドル、ランプ、装飾パネルなどに使用されます。
  • 配管・フィッティング:
    • 水道管、ガス管、継手、バルブなどに使用されます。
  • 楽器:
    • トランペット、トロンボーン、サクソフォンなどの管楽器に使用されます。
  • 機械部品:
    • ギア、ベアリング、バルブシートなどに使用されます。

銅と真鍮の比較

特性 真鍮
主成分 純銅 銅と亜鉛の合金
導電性 非常に高い 銅より低い
熱伝導性 非常に高い 銅より低い
耐食性 高い 銅よりさらに高い
加工性 柔らかく、加工しやすい 銅より硬く、機械加工や鋳造がしやすい
用途 電気・電子機器、配管、建築 建築材料、楽器、機械部品、配管・フィッティング

銅と真鍮はそれぞれの特性を活かし、さまざまな産業分野で利用されています。銅はその優れた電気伝導性と熱伝導性から電気電子機器や冷却装置に不可欠な材料であり、真鍮はその耐食性と美しい仕上がりから建築装飾や楽器に広く使用されています。これらの金属の特性を理解することで、適切な用途に合わせた材料選択が可能となります。

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