チタン製のマフラーや、焼き色の美しいチタンボルト。カスタムカーやバイクが好きな方であれば、目にしたことがあるのではないでしょうか。金属の質感や青・紫・金色の表情は、走りを楽しむ愛車へのこだわりを、見た目にも映してくれます。
しかし、愛車のエンジンルームや車体を見渡すと、「この部分もチタンにしたい」と思っても、形や寸法が合う市販パーツが見つからないことがあります。配線をまとめる留め具、部品を固定するステー、取り付け場所に合わせた穴あけパネルなどが、その一例です。
そうした「売っていそうで、売っていない金物」には、チタン板を使ってオーダーメイドする選択肢があります。FMDS機能性金属開発工房では、金属板のカスタム加工を1枚からご相談いただけます。この記事では、旧車・カスタムカー・バイク向けの用途提案と、素材・加工・取り付け条件を検討するポイントをご紹介します。
この記事でわかること
チタンを選ぶ理由と鉄・アルミ・ステンレスとの違い、ステーや穴あけプレートへの活用方法、オーダーメイド相談に必要な情報を解説します。

チタンの魅力は、軽量性・耐食性・意匠性を組み合わせられることです。鉄よりも軽く、表面に形成される酸化皮膜によって腐食に強い特性を持ちます。車体まわりの金物では、重量や使用環境に加えて、金属肌の見え方も素材を選ぶ理由になります。
ただし、同じ形状・体積で比べると、チタンはアルミよりも重い素材です。また、純チタンとチタン合金では強度や加工性が異なります。「チタンに替えれば必ず軽く、強くなる」と考えるのではなく、必要な強度や剛性に合わせて材質・板厚・形状を検討することが大切です。
見た目の面では、研磨による光沢や筋目、発色による色合いを楽しめます。チタンの青や紫、金色は、表面の酸化皮膜による光の干渉で見える色です。マフラーの熱による焼け色と、陽極酸化などで施す発色仕上げは、色を生み出す工程が異なります。取り付け場所と目指す表情に合わせて、仕上げ方法を選びます。
チタン製マフラーやボルトには、市販のアフターパーツがあります。一方で、配線やホースをまとめる留め具、専用の穴位置を持つステー、限られたスペースに収めるパネルは、車種やカスタム内容によって必要な形が変わります。市販品があっても、自分の愛車にそのまま使えるとは限りません。
特に旧車や絶版車では、純正部品の供給が終了していたり、仕様変更によって元の金物が使えなくなったりすることがあります。「この位置に穴があれば」「あと少し短ければ」「周囲のパーツに合う質感にしたい」。そんな細かな要望ほど、既製品だけでは解決しにくいものです。
オーダーメイドでは、必要な寸法や取り付け条件から形を考えられます。現物や写真を参考にしながら、素材の置き換えが適切か、どの加工が必要かを確認し、その車両に合う金物を検討していきます。
素材選びでは、「どれが一番よいか」よりも、「その部品で何を優先するか」が重要です。重さ、腐食への強さ、見た目、加工費を整理すると、チタンを使う意味が明確になります。
| 素材 | 重さの目安 | 耐食性・表面仕上げ | 選ぶ際のポイント |
|---|---|---|---|
| 鉄(スチール) | 比重 約7.9 | 防錆のために塗装やめっきなどを検討します。 | コストや剛性を重視する金物の候補になります。 |
| アルミニウム | 比重 約2.7 | 素地やアルマイトなどで仕上げます。耐食性は材質・環境によって変わります。 | 軽さを重視する場合に適しています。必要な強度・剛性に合わせて板厚を決めます。 |
| ステンレス | 比重 約7.7〜8.0 | 耐食性があり、鏡面・ヘアラインなどの仕上げを選べます。 | 耐食性と仕上がりを重視する候補です。使用環境に合う鋼種を選びます。 |
| チタン | 比重 約4.5 | 耐食性があり、研磨・発色によって質感や色を表現できます。 | 鉄より軽く、アルミより重い素材です。純チタン・チタン合金の特性を踏まえて選びます。 |
比重は代表的な目安です。材質・合金・鋼種によって異なり、完成品の重量は板厚や形状にも左右されます。
すべての部品をチタンにする必要はありません。軽さを優先するのか、腐食対策を重視するのか、見える場所の質感を整えたいのか。目的をはっきりさせたうえで、素材と形状を組み合わせて考えます。小さな銘板や装飾プレートでは、走行性能よりも、細部の見え方にチタンの価値を見いだせます。
ここからは、旧車・カスタムカー・バイクに向けた用途提案をご紹介します。必要な機能と目指す見た目を整理し、形状や製作条件を確認しながら、加工の可否を検討します。

配線やホースをまとめる留め具、補助部品を固定するステーでは、穴の位置や曲げ角度、周囲とのすき間が使いやすさを左右します。現物の寸法や取り付け場所の写真をもとに、必要な形状を検討します。
元の部品をチタンに置き換える場合も、同じ形を写すだけでは十分とは限りません。取り付ける部品の重さ、振動、荷重のかかり方などを確認し、材質・板厚・固定方法を考えます。
パンチングメタルは、金属板に金型で穴を打ち抜いた板です。自動車のグリルやフィルター、スピーカーカバーなどにも使われます。チタン板でも、規則的な穴や長穴を設けた意匠パネル、カバーなどを検討できます。形状や数量に応じて、レーザー切断などを含めた加工方法を確認します。
穴の大きさ・間隔・開口率によって、見た目や通気性、板の強度は変わります。チタンの質感を生かしながら、周囲の部品が透けて見える表情や、その車両に合う穴の配置を考えられます。
穴あけ加工だけで、遮熱・防塵・防音の効果が決まるわけではありません。熱を遮りたい場合は熱源との距離や空気層、防塵を求める場合は孔径やフィルターとの組み合わせなど、必要な機能に応じて構成を検討します。
車内の意匠プレートや、カスタムパーツのブランド銘板にも、チタンの質感を取り入れられます。モデル名やシリアルナンバー、オリジナルのロゴなど、表示したい内容と取り付け場所をお聞かせください。
文字の細かさ、ロゴの大きさ、背景となる表面仕上げによって、見え方は変わります。刻印・印字などの表示方法は、デザインデータとご希望の仕上がりを確認して検討します。小さな一枚にも、愛車やブランドへのこだわりを反映できます。
FMDS機能性金属開発工房を運営する東洋ステンレス研磨工業株式会社は、金属の研磨・切断・曲げ・溶接などを組み合わせた加工を手がけています。カスタム加工では、用途に合わせた素材、形状、表面仕上げをご相談いただけます。

チタン板の切断、穴の配置、曲げや溶接の必要性を確認します。チタンは材質や板厚によって加工条件が変わり、溶接では酸化を抑えるための管理も重要です。寸法だけでなく、取り付け方や使用環境を共有いただくことで、具体的な仕様を検討しやすくなります。
金属の光沢を生かす鏡面、筋目が見えるヘアライン、落ち着いた質感のブラストなど、仕上げによって印象は変わります。発色を組み合わせれば、周囲のパーツや車体の色に合わせたアクセントも検討できます。
熱を受ける場所では、使用中の色の変化も考慮する必要があります。参考写真や目指す色合いをお送りいただき、表面仕上げと使用条件を踏まえて相談を進めます。
金属板のカスタム加工は、1枚からご相談いただけます。ただし、部品ごとの製作可否や費用・納期は、材料の手配、形状、加工内容、仕上げなどによって異なります。必要な数量と確認したい点を伺い、試作を含めた進め方をご案内します。
図面が完成していなくても、取り付けたい場所や欲しい形がわかる写真からご相談いただけます。「探しても見つからない」「この部分だけ形を変えたい」という段階で、まずはご希望をお聞かせください。
はい。まずは現物の写真、寸法、取り付け場所、使用条件をお知らせください。形状の再現やチタンへの置き換えが可能かを確認します。現物の送付が必要な場合は、事前にご相談ください。
金属板のカスタム加工は、1枚からご相談いただけます。チタン製ステーや穴あけプレートなどの製作条件は、形状・材料・加工内容を確認したうえでご案内します。
はい。希望する孔径、穴の間隔、配列、板厚、外形寸法をお知らせください。通気性や強度、意匠の要望も確認し、レーザー切断などを含めた加工方法と対応範囲を検討します。
取り付け位置や用途、温度、振動、荷重などの使用条件を伺って検討します。チタンだから高温環境で一律に使用できるわけではなく、材質・板厚・固定方法を含めた確認が必要です。
ご希望の色合いをご相談いただけます。陽極酸化などの発色方法と表面仕上げの組み合わせを検討します。見る角度や光、使用中の熱などで色の印象が変わるため、参考写真と使用環境をあわせてお知らせください。
ロゴや文字を表示したい場合は、デザインデータ、文字の大きさ、配置、希望する見え方をお送りください。刻印・印字などの表示方法と製作可否は、表面仕上げを含めて確認します。
写真や手描きスケッチなどからご相談いただけます。取り付けたい場所、必要な形や寸法、ご希望の仕上がりをお聞かせください。製作に必要な情報を確認しながら、仕様を検討します。
素材、寸法、数量、切断・曲げ・溶接などの加工内容、表面仕上げによって異なります。ご希望を伺い、必要な仕様を確認してお見積もりをご案内します。
市販のチタンパーツを選ぶ楽しさとは別に、愛車のために金物を一つから考える楽しさがあります。その車両に合う穴位置、その場所に収まる形、周囲のパーツと調和する質感。目にする機会の多い小さな部品にも、愛車へのこだわりは表れます。
旧車のレストアやバイクのカスタムで、探しても見つからない金物があれば、取り付けたい場所の写真や寸法をお送りください。カスタムショップやパーツメーカーの試作についても、用途と条件を伺いながら検討します。
既製品ではなく、自分で選び、形や仕上げを考える。その過程も、愛車への愛着を深める時間になります。FMDSでは、金属加工を通じて、こだわりを形にするお手伝いをします。