
アルミの極薄板材(例:0.2〜1.0mm程度)のレーザー加工は、軽量で高意匠・高精度な形状加工ができる一方、
板が薄いほど「熱」「固定」「搬送」の影響が増幅し、反り・バリ・表面傷が起きやすくなります。
とくに意匠金属では、寸法が合っていても、研磨目方向が揃っていない・テープ跡が残る・切断縁が汚れるだけです。
極薄板レーザー加工で起きやすい問題は、次の5つが代表的な問題です。
反り・歪み(熱変形):薄いほど局所加熱で板が浮き、焦点ズレ→切断不良につながります。
アルミのレーザー加工は一般にファイバーレーザーが多用されますが、極薄板では「何で切るか」よりも
固定方法・熱入力・加工順序・後工程の設計が重要です。
※具体条件(出力・速度・ガス)は機種・板厚・合金・表面仕上げで大きく変わります。本番前に必ず試験が必要です

意匠金属には研磨目(ヘアライン等)の方向があります。ネスティングを歩留まり優先で回転配置すると、
部品ごとに縦横がバラバラになり、組み上げ時の意匠不具合になります。
表面保護のためテープを貼って切断する場合、切断熱で糊が変質し、剥がれない・跡が残ることがあります。
とくに背面が黒いレーザーテープでは、切断付近に黒い筋が出ることがあるため注意が必要です。
手間はかかりますが、二度切りは意匠品質を安定させる有効策です。
最初にフィルムだけを切断し、その後に金属部分を切断すると、切断縁が比較的きれいに仕上がります。
切断部の小口(エッジ)を仕上げる場合、テープを剥がす前に小口を先に修正した方がきれいに上がります。
意匠面をテープで守ったまま作業できるため、当て傷・拭き傷のリスクを下げられます。
極薄板は無理に持ち上げるとすぐ折れ、歪みが入ります。二人での乗せ下ろし、面で支える搬送具の使用が有効です。
極薄板は「浮き」を止めるだけで品質が大きく改善します。捨て板で挟むサンドイッチ固定、
熱が集中しない加工順(飛び加工)などを検討します。
レーザー加工直後は粉・煙・糊変質が残りやすいです。清掃手順(乾拭き禁止、溶剤、拭き材、方向)を標準化し、
保管は間紙・トレーで分離します。現場搬入まで養生を剥がさない運用も有効ですが、糊残りリスクと要相談です。
主因は「熱入力」と「固定不足」です。板が浮くと焦点ズレが起きやすく、反り・歪みが増えます。
吸着や治具固定、飛び加工などで熱の集中を避けるのが有効です。
切断熱で糊が変質・炭化することで、糊残りや黒筋が出る場合があります。
テープには相性があるため、本番前の試し切りが必須です。必要に応じて二度切りを検討します。
図面に研磨目方向の矢印を明記し、CAMで回転禁止・方向固定ルールを設定します。
量産前に1セット組みで見え方を確認すると、組立後の不具合を防げます。
フィルムと金属の切断を分離することで、糊変質・黒筋リスクを下げ、切断縁の汚れを減らしやすくなります。
意匠品質を安定させたい部位に有効です。
テープを剥がす前に小口を先に修正し、意匠面を保護した状態で作業します。
研磨目方向に注意し、基準サンプルを共有すると品質が安定します。
図面(研磨目方向含む)と表面仕上げ、希望品質(黒筋NG等)を共有いただければ、
試し切りの観点・工程設計(テープ/二度切り/小口)まで含めて提案できます。
アルミの極薄板レーザー加工は、板厚が薄いほど「熱・固定・取扱い」の影響が顕在化します。
しかし、意匠金属のルール(研磨目方向、テープ相性、二度切り、小口順、搬送)を先に決め、
試し切りで条件と手順を固定すれば、品質は安定します。
意匠の世界では0.1mmより1本の傷や黒筋が致命傷になることもあるため、
加工条件だけでなく工程設計と運用標準をセットで整えることが最短の近道です。
※具体的な出力・速度・ガス条件は機種・材料・仕上げで変わります。